今回は、『ドイツ人のすごい働き方 日本の3倍休んで成果は1.5倍の秘密』(熊谷徹著)のブックレビューです。
スイス在住の私がちょっと気になった本。スイスの働き方にも似ている部分があると思い手に取りました。
「ドイツ人のすごい働き方 日本の3倍休んで成果は1.5倍の秘密」は、効率的かつ自由な働き方で知られるドイツの労働文化を詳しく解説した一冊です。
本書は、ドイツ人がどのようにして短い労働時間の中で高い成果を上げ、充実したプライベートを確保しているのか、その秘密を探ります。日本の働き方と比較しながら書かれているため、読者は自分の働き方を見直すきっかけを得られます。
著者は、ドイツ在住のジャーナリストとしての視点から、ドイツの「休む」ことへの意識の高さ、働き方改革が進んでいる背景、そしてそれを支える制度や社会の価値観をわかりやすく伝えています。
たとえば、残業を極力避け、定時退社を徹底する文化や、有給休暇の消化率がほぼ100%である事実など、日本と大きく異なる点が興味深いです。さらに、労働時間の短縮だけでなく、効率化やイノベーションの追求が企業文化として根付いていることが、成果につながっていることがわかります。
特に印象的だったのは、ドイツでは「仕事以外の時間が豊かな人が優秀」という考え方が根付いている点です。家族との時間や趣味、休息を大切にすることで、結果的に集中力や生産性が高まり、仕事にポジティブな影響を与えるという考え方は、日本ではまだ浸透していない新鮮な発見でした。
本書は、日本の「長時間労働=美徳」という固定観念に疑問を投げかけるだけでなく、働き方改革の具体的なヒントを与えてくれます。読み進める中で、「休むことは悪ではなく、むしろ効率と成果を高めるための戦略である」というメッセージが強く伝わってきます。
労働文化の違いを理解し、自分の働き方を再考したい人には必読の一冊です。日本の働き方に閉塞感を感じている人に、勇気とインスピレーションを与える内容となっています。
興味がある方は、ぜひお手に取って読んでみてくださいね。